2025年2月21日(金)に、「Support for sustainable decision-making and arrangements that preserve dignity for everyone during and after life」プロジェクトに関連しイベントを実施しました。主に、高齢者の意思決定を支える企業・関連組織に所属する皆さんと一緒に考えることを目的とする内容です。
本イベントの登壇者は、プロジェクト代表者の児玉 聡先生(京都大学 文学研究科 教授)と沢村 香苗 研究員(株式会社日本総合研究所創発戦略センター シニアスペシャリスト)の2名です。プログラム前半の両名からの話題提供に続く後半のトークセッションでは、オンラインアンケートツールを駆使した参加者からのリアルタイムな意見収集も行われました。
この記事では、イベントの内容や様子をお伝えします。
講義:「個・孤の時代の高齢期」を生き抜く・支えるための意思決定/沢村 香苗 研究員(株式会社日本総合研究所創発戦略センター シニアスペシャリスト)

私たちは生活のあらゆる場面で意思決定を行い、その意思決定を実行するための行動を起こしています。高齢になると意思決定や行動が難しくなり、周りの支援を受ける場面が増えてきます。支援者たちはご本人の意思や価値観を推測しながら代理で答えを選択していきますが、本人ではなく代理人が下すだけに、その判断が果たして正しいかどうかは判断がつきません。沢村研究員からは意思決定にあたり、重視すべきポイントとして「一貫性」というキーワードがあがりました。これまでの生活を参照し、一貫性を維持する範囲での意思の推測は許されるのではないか、という考え方が提示されました。
講演:身じまいに関わる意思決定支援とその課題/児玉 聡 先生(京都大学 文学研究科 教授)

児玉先生からは、そもそも意思決定とは何か、どう行うのが望ましいのか、支援にあたってどのような課題があるのかをお話いただきました。自身に関する意思決定は、誰しもが自分で行うことが原則です。しかしその半面、本人の判断能力や生活環境など、意思決定支援には課題が伴います。決めるべきことが多かったり、本人の判断能力が疑わしかったり、「おひとりさま」であったり…。身じまいのための意思決定について、児玉先生は「ノトナレ派(=「後は野となれ山となれ」と思う人)」と「タツトリ派(=「立つ鳥跡を濁さず」にしようとする人)」という対立する2つの価値観を提示されました。後回しになりがちな身じまいの準備を、タツトリ派のスタンスで取り組む重要性をお話くださいました。
パネルディスカッション
パネルディスカッションパートは、株式会社日本総合研究所創発戦略センター インキュベーションプロデューサーの泰平 苑子研究員をモデレーターにお招きし、実施しました。参加者の皆さんから申込時に寄せられたお悩み例などがディスカッションテーマです。参加者の皆さんが、オンラインアンケートツールを用いて意見交換を行ったほか、登壇者2名からも実例に沿ったアドバイスや先行例の紹介がありました。参加者同士も日頃接点のない方の意見に触れる機会となり、皆さんからも高評価をいただきました。

今回のイベントでは、会場・オンラインからご参加された方々からのリアルな声をたくさんお寄せいただきました。SMBC京大スタジオでは、今後も定期的に皆さんとの対話を促進する機会を設定していきます。関心を持たれた方はぜひ、イベント情報をチェックしてみてください。