2024年12月8日に「第1回ダイバーシティ&インクルージョンみらいサミット」が開催されましたサミットの内容は以下の画像の通りで、多様なバックグラウンドの方々による講演を聞くことができました。プログラムの中には、SMBC京大スタジオ(以下、スタジオ)の共同事業(*)の代表である本学医学研究科/義村先生・日本総研/木村研究員の講演もあり、スタジオも後援組織としてサポートのため参加しました。この記事では、サミットにおける義村先生・日本総研/木村研究員の講演概要とスタジオが感じたことをお届けします。
(*)「発達障害特性がある人材の就労における能力発揮支援」

自閉スペクトラム症における「情報」の見え方・捉え方(京都大学/義村先生)
本講演では、スタジオのテーマでも焦点をあてている自閉スペクトラム症(以下、ASD)における「情報」の見え方・捉え方について紹介されました。
一般的にASDの方々は、他者と自然に反応・呼応し合う能力が低い傾向にあり、「不変への拘り」「反復」などの傾向があるとされています。こういった傾向と深い結びつきがあると考えられる、「モノ」や「細部」への関心の強さが研究で示されているそうです。例えば、映画のワンシーンを見たときに、一般的に、定型発達の方々は登場人物の目に注目します。一方で、ASDの一種である自閉症がある方々は人物の周りの「モノ」に注目することが確認されているとのことです。また、ヒトの表情の変化のような動くものの処理が苦手、記憶についても映像で憶える・エピソードを断片化して憶える傾向があるなど実験で示された特徴の説明がありました。
こうした「情報」の見え方・捉え方が、言動として表出し、また、高度・先端IT領域やアート分野での傑出した能力の源泉にもなるのだろうと感じました。
日本総研 Web3の取組(日本総研/木村研究員)
こちらの講演では、アートとデジタルの力で障害のある人とともに、社会に新しい仕事・文化をつくることをめざすNFTプロジェクト「Good Job! Digital Factory」の取組が紹介されました。社会福祉法人わたぼうしの会と日本総研で連携して取り組まれているそうです。
特に印象に残ったのが、販売中のNFTアート「グッドジョブさん」でした。「グッドジョブさん」は障害のあるアーティストの方が作成した図柄と障害のある方・ない方たちが作成した体のパーツを組み合わせたキャラクターです。体のパーツは100種類、図柄やパーツを組み合わせて、なんと1,000種類の「グッドジョブさん」がいるそうです。しかも、ブロックチェーン技術を活用したNFTアートなので、それぞれ1点ものとのこと。購入すると単にアートが手に入るだけでなく、今後の商品開発の方向性にかかわる投票権も付与される仕組みだそうです。
「グッドジョブさん」の鮮やかな図柄と無邪気な顔つきに魅了されつつ、アートやコミュニティで人々を巻き込む活動は、スタジオに通じるところもあり、大変勉強になりました。
その他、日本総研/木村研究員からは、ニューロダイバーシティマネジメント研究会の取組の紹介がありました。この研究会では、企業の実務をモデルに、発達障害のある方々に対するマネジメント手法の研究を進め、活躍できる環境の整備を目指しているとのことです。スタジオのテーマとも深く関わる取組なので、こちらは、別途取材の上、ご紹介できればと思います。
最後に、義村先生・木村研究員からもコメントをいただきました。
京都大学 義村先生
行政や子育て、教育、就労、医療といった分野において、さまざまな形でダイバーシティやインクルージョンに取り組んでこられた方々のお話をお聞きすることができました。具体的な取り組みの内容から、「誰もが安心して過ごせる居場所」が作られていくために、私たちは普段どのようなことを意識して活動すれば良いのかが、よく分かりました。参加者からも内容について高い評価をいただき、企画者としても嬉しく思っています。
日本総研 木村研究員
本サミットではダイバーシティ&インクルージョンに対して非常に高い視座で取り組まれている方の講演をお伺いできました。ダイバーシティ&インクルージョンの本質を再確認する機会となったとともにスタジオをはじめとした日本総研の活動へのエールも多くいただきました。今後のASD Projectの発展を楽しみにしています。