幸せなしまい方PJが京都大学アカデミックデイ2025に出展しました

 2025年9月27日に「誰もが生前・死後の尊厳を保つための持続可能な身じまい・意思決定とその支援」(愛称:幸せなしまい方PJ)が京都大学アカデミックデイ2025に出展しました。

京都大学アカデミックデイとは

 「京都大学アカデミックデイ」は京都大学が2011年度から実施しているオープンなイベントです。誰もが学問の楽しさ・魅力に気づくことができる「対話」の場となることを目指しています。
 アカデミックデイについてはこちらをご覧ください(京都大学のホームページに移行します)。

出展内容

 本プロジェクトは、『幸せな「人生のしまい方」って?』というタイトルでポスターを展示し、高齢期の身じまいで起こりうる具体的な課題や、これまでの研究で見えてきた「タツトリさん」「ノトナレさん」の考え方(「幸せな「人生のしまい方」って?③身じまいについての二つのタイプ:「タツトリさん」と「ノトナレさん」」の記事を参照)を紹介しました。

アンケートの実施

 ポスターの前で足を止めてくださった方々には、簡単なアンケートに答えていただきました。

質問① 「人生のしまい方」についてのあなたの思い:AとB、どちらの文章があなたの考えや意向に近いですか?
A. その時が来るまでに、物事をきっちり整理して決めておきたい方だ
B. その時が来るまでに、何も考えたくないし、準備はしたくない方だ

質問② 「人生のしまい方」についてのあなたの実際の行動:CとD、どちらの文章があなたの実際の行動に近いですか?
C. 今までに、物事の整理に取り組んだことがある
D. これまで、物事の整理に取り組んだことはない

 

 AとCが「タツトリさん」、BとDが「ノトナレさん」に近い考え方および行動と言えます。
 アンケートの結果は以下のとおりです。プロジェクトチームでは、先行研究をもとに「意向はタツトリさんだけれども実際にはノトナレさんになってしまっている」という方が多いのではないかという仮説を持っていました。結果を見ると、質問①でA(タツトリさんに近い考え)と答えた方が77%であるのに対し、質問②でC(タツトリさんに近い行動)と答えた方が46%で、仮説どおりの結果になりました。

質問① 「人生のしまい方」についてのあなたの思い:AとB、どちらの文章があなたの考えや意向に近いですか?

 男性(人)女性(人)合計(人)割合
A. その時が来るまでに、物事をきっちり整理して決めておきたい方だ37569377%
B. その時が来るまでに、何も考えたくないし、準備はしたくない方だ56122823%

質問② 「人生のしまい方」についてのあなたの実際の行動:CとD、どちらの文章があなたの実際の行動に近いですか?

 男性(人)女性(人)合計(人)割合
C. 今までに、物事の整理に取り組んだことがある18332846%
D. これまで、物事の整理に取り組んだことはない33286154%

 回答者の中には、アンケートへの回答とあわせて「タツトリさん」「ノトナレさん」らしさが表れる具体的なエピソードを語ってくださる方もいらっしゃいました。「タツトリさん」に近い考えを持ちつつ行動に移せていない方からは、行動を先延ばしにしてしまっている、行動してみたものの挫折してしまったなどの声が聞かれました。同じ回答をしていても、その回答の背景にある事情や思いは人によって様々であることが示唆されました。

プロジェクト代表者からひと言(児玉聡)

 身じまいについて話し合うことは簡単ではなく、実際に身じまいに備えることも誰にでもできるわけではありません。「あなたはタツトリ派? それともノトナレ派?」という問いかけは、そうした話し合いのきっかけをつくるために、私たちのプロジェクトで考案したものです。うまく機能したかどうかはわかりませんが、当日は朝11時から夕方6時まで、多くの方々が足を止め、スタッフと熱心に語り合ってくださいました。
 印象的だったのは、ご高齢の方だけでなく、家族連れや若い世代の方々も、自分自身や家族の身じまいについて真剣に考え、率直に意見を交わしていたことです。「家族に迷惑をかけないように、すべて準備している」という方もいれば、「独り身なので、きちんと準備しておかなければ」と話す方、「私は気持ちも行動もノトナレです」と笑う方もいました。
 今後もこのような活動を通して、人々が「幸せなしまい方って何?」という問いについて考える場を広げ、社会的課題の整理と解決につながる研究を進めていきたいと考えています。

その他の関連記事